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介護職種の技能実習生を受け入れるためには?

介護職種の技能実習生を受け入れるためには?

介護職種のベトナム人技能実習生を受け入れるためのブログ記事です。(育成就労制度についても説明しています。)日本では介護士不足が懸念されており、新規に介護職につく人が減っています。まだ一部のベトナム人が介護サービスを利用している程度であり、家族内で介護をするのが主流ですが、ベトナムでは少しずつ介護施設や介護サービス事業者が増えてきています。そんな中、介護士を目指したり日本で介護技術を身につけたいと思うベトナムの若者が増えてきて、日本の介護職の技能実習も注目されてきています。

本記事では、介護職種のベトナム人技能実習生を受け入れるための情報をお届けします。(団体監理型で受け入れるケース)

当記事はこちらの方におすすめです。🇯🇵🇻🇳

  • 介護士が足りなくて困っている
  • 外国人の介護士を活用したいがどうしていいかよく分からない
  • ベトナム人の介護士を受け入れたいと思っている
  • 将来的に日本人介護士だけでは運営が難しい

今回はベトナム人の介護士を技能実習生として受け入れる場合、どんなことを知っておくべきかを説明します。 

目次

受け入れ人数の枠

技能実習生の受け入れ人数枠には企業規模に応じて制限があります。

なお、育成就労制度においても受け入れ人数に枠が設定される方向です。

 ※JITCO「外国人技能実習制度とは

介護職種のベトナム人技能実習生の受け入れ人数枠

※厚生労働省「技能実習「介護」における固有要件について

受入れることができる技能実習生は、事業所単位で介護等を主たる業務として行う常勤職員(常勤介護職員)の総数に応じて設定されます。

会社全体の常勤職員ではなく事業所単位であること、また、事務系の常勤職員は含まず介護職の常勤職員であることに注意が必要です。

常勤職員には、技能実習生、特定技能1号の外国人は含まれないことに注意しましょう。

受入企業に関する要件

受入企業となるには次の要件を満たすことが必要となります。

  1. 受け入れ体制を構築している
  2. 介護の業務が現に行われている事業所を対象とする
  3. 技能実習を行わせる事業所が開設後3年以上経過していること
  4. 報酬、待遇などが適切
  5. 書類管理体制がある
  6. 技能実習生の宿舎を確保する

1.受け入れ体制を構築している

技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員を選任し配置することによって、技能実習生の受け入れ体制を構築することが必要です。

技能実習責任者

技能実習の各担当職員の監督および、実習生の受け入れ準備や実習進捗の統括管理をします。

常勤であること、また、3年に1度、技能実習責任者に対する講習を受講しなければいけません。

技能実習指導員

技能実習生に技能実習を指導する担当者となります。常勤職員で、技能実習を行う事業所に所属し、修得等をさせようとする技能、技術及び知識について5年以上の経験が必要です。

介護職種については、技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していることが必要となります。

かつ、技能実習指導員のうち1名以上は、介護福祉士の資格を有する者か、介護福祉士と同等以上の専門的知識及び技術を有すると認められる者(※看護師等)であることとされています。

生活指導員

生活指導員は、技能実習生の生活上の留意点について指導し、また技能実習生の相談にのる役割となります。監理団体と情報を共有しながら、未然に問題を防ぎます。常勤であることが必要条件となります。

2.介護の業務が現に行われている事業所を対象とする

介護職種の技能実習生を受け入れるためには、介護の業務が現に行われている事業所(介護福祉士国家試験の実務経験対象施設)でなければいけません。

なお、技能実習生の人権擁護、適切な在留管理の観点から、訪問系サービスは対象外とされています。

3.技能実習を行わせる事業所が開設後3年以上経過していること

経営が一定程度安定している事業所として、設立後3年を経過している事業所が対象となっています。

新規に設立した事業所では受け入れることができない点に注意しましょう。

3.報酬、待遇などが適切

技能実習生に対する報酬が日本人が従事する場合と同等額以上であることが必要です。

社会保険加入などの対応も必須となります。

4.書類管理体制がある

技能実習日誌を作成し備え付け、技能実習終了後1年以上保存しなければなりません。

5.技能実習生の宿舎を確保する

技能実習生を受け入れる企業は、実習生が住むための住居を用意しなければいけません。加えて、生活するための最低限の什器や家電を用意することも必要です。

宿舎の費用を技能実習生から徴収することになると思いますが、ベトナム人の実習生である場合は徴収できる上限額が定められています。

基本給/月の15%を超えてはならないとされています。

※JITCO「ベトナム・新労働者海外派遣法及び関連政省令等の概要

介護職種の技能実習生に関する要件

技能実習生自身に関わる要件は下記のとおりです。

  • 18歳以上であること
  • ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局(DOLAB)の推薦を受けていること
  • 帰国後に日本で修得した技能等を活用できる業務に就く予定があること
  • 日本で受ける技能実習と同種の業務に従事した経験等を有すること
  • 送り出し機関等から保証金や違約金などを徴収されないこと
  • 介護職種の技能実習生に求められる日本語能力を有していること
  • 介護導入講習を受けている

技能実習制度では上記の要件を技能実習生が満たすことを求められています。

年齢が18歳以上であるかどうかの基準となる日は、技能実習(入国後講習を含む。)の開始日が基準となります。

帰国後に習得した技能等を活用することが望ましいですが、母国での景気や求人状況が影響するため、絶対的な要件とはなっていません。

同種業務に従事した経験等については書類によって証明することとなります。

※育成就労制度においては、「日本で受ける技能実習と同種の業務に従事した経験等を有すること」は、要件としてなくす方向で進められています。

技能実習生が保証金や違約金を徴収されることがないかどうかは、受入企業のみでは把握しかねるため、監理団体を通じてよく確認しておきましょう。

介護職種の技能実習生は他の職種の技能実習生と異なり、日本人と接しながらサービスを提供するため、一定以上の日本語能力が必要となります。

1号技能実習生(1年目):日本語能力試験のN4に合格している者その他これと同等以上の能力を有すると認められる者であること。

2号技能実習生(2年目):日本語能力試験のN4に合格している者その他これと同等以上の能力を有すると認められる者であること。

介護導入講習とは、「円滑な技能等の修得等に資する知識」の講習と位置付けられ、介護に関する基礎的な事項を学ぶ内容となっています。

介護の基本から実際の介護に必要な実践的知識を各6時間、合計42時間以上受けることが必要とされています。

介護導入講習の教育内容と時間数

介護導入講習の教育内容と時間数

介護職種の業務に関する要件

大まかに述べると下記2点が業務に係る要件となっています。

  • 母国で修得することが困難である技能等を修得するものであること
  • 習得しようとする技能等が単純作業や非熟練作業でないこと

技能実習生が従事できる業務内容は、必須業務・関連業務・周辺業務の3つに分けられています。

そして、技能実習生に従事させる労働時間全体の2分の1以上を必須業務にあてる必要があります。関連業務は時間全体の2分の1以下周辺業務は時間全体の3分の1以下としなければなりません。

次に介護職種の技能実習においては、どのような業務が3種類の業務に該当するのかを確認してみましょう。

(※技能実習3号については割愛します。なお、育成就労制度では技能実習3号に該当するものはなくなります。育成就労が3年間終わった後は、特定技能へ移行するか帰国することになります。)

必須業務

○技能実習1号(受け入れ1年目)

(1) 身体介護業務 (これらに関連する、準備から記録・報告までの一連の行為を含む)

・身じたくの介護( 1)の3.については、状況に応じて実施) 

 1) 整容の介助

  1. 整容(洗面、整髪等) 

  2. 顔の清拭

  3. 口腔ケア

 2) 衣服着脱の介助

  1. 衣服の着脱の介助(座位・臥位)

・ 移動の介護 

 1) 体位変換

  1. 体位変換

  2. 起居の介助(起き上がり・立位)

 2) 移動の介助(2.については、状況に応じて実施)

  1. 歩行の介助

  2. 車いす等への移乗の介助 3. 車いす等の移動の介助

・食事の介護

 1) 食事の介助

・入浴・清潔保持の介護( 3)については、状況に応じて実施) 

 1) 部分浴の介助

  1. 手浴の介助

  2. 足浴の介助 

 2) 入浴の介助 

 3) 身体清拭

・排泄の介護( 3)については、状況に応じて実施) 

 1) トイレ・ポータブルトイレでの排泄介助

 2) おむつ交換

 3) 尿器・便器を用いた介助

(2)安全衛生業務

○技能実習2号(受け入れ2年目・3年目)

(1) 身体介護業務 (これらに関連する、準備から記録・報告までの一連の行為を含む)

・身じたくの介護( 1)の3.については、状況に応じて実施) 

 1) 整容の介助

  1. 整容(洗面、整髪等) 

  2. 顔の清拭

  3. 口腔ケア

 2) 衣服着脱の介助

  1. 衣服の着脱の介助(座位・臥位)

・ 移動の介護 

 1) 体位変換

  1. 体位変換

  2. 起居の介助(起き上がり・立位)

 2) 移動の介助(2.については、状況に応じて実施)

  1. 歩行の介助

  2. 車いす等への移乗の介助 3. 車いす等の移動の介助

・食事の介護

 1) 食事の介助

・入浴・清潔保持の介護( 3)については、状況に応じて実施) 

 1) 部分浴の介助

  1. 手浴の介助

  2. 足浴の介助 

 2) 入浴の介助 

 3) 身体清拭

・排泄の介護( 3)については、状況に応じて実施) 

 1) トイレ・ポータブルトイレでの排泄介助

 2) おむつ交換

 3) 尿器・便器を用いた介助

(2)安全衛生業務

関連業務

・ 掃除、洗濯、調理業務

 1. 利用者の居室やトイレ、事業所内の環境整備

 2. 利用者の衣類等の洗濯

 3. 利用者の食事にかかる配下膳等

 4. 調理業務(ユニット等で利用者と共に行われるもの) 5. 利用者の居室のベッドメイキングやシーツ交換

・機能訓練の補助やレクリエーション業務 

 1. 機能訓練の補助や見守り

 2. レクリエーションの実施や見守り

・ 記録・申し送り

 1. 食事や排泄等チェックリスト等による記録・報告 

 2. 指示を受けた内容に対する報告

 3. 日誌やケアプラン等の記録及び確認

 4. 申し送りによる情報共有

周辺業務

  • お知らせなどの掲示物の管理
  • 車いすや歩行器等福祉用具の点検・管理
  • 物品の補充や管理

※厚生労働省「技能実習計画審査基準

夜勤業務等については、「利用者の安全の確保等のために必要な措置を講じる」とされています。

具体的には下記の事項が該当します。

  • 技能実習生以外の介護職員を同時に配置する
  • 技能実習生以外の介護職員と技能実習生の複数名で業務を行う
  • 夜勤業務等を行うのは2年目以降の技能実習生に限定する
なお、外国人インターンシップ生の受け入れは、上記業務内容の条件を揃えていなくても受け入れが可能です。
受け入れコストについても技能実習生を受け入れるのに比べて半分以下にできます。もちろん、外国人インターンならではの難しい部分もありますが、介護の業務内容に縛られない&コスト削減を達成するには、外国人インターンを活用することをおすすめいたします。
また、外国人インターンを1年間受け入れてみて、当該外国人に適性があったら特定技能で本採用するといった活用方法もあります。
ぜひ、外国人インターンシップ制度についてもご関心を持っていただければと思っています。

まとめ:介護職種の技能実習生

介護

介護職種の技能実習生を受け入れるイメージは持っていただけたでしょうか?

介護職種の技能実習生は、入国前に日本語能力試験N4以上でなければいけないのが特徴的です。

日本入国前にしっかりとした日本語教育を行える送り出し機関を選定しなければ、後々大変なことになりかねません。

また、単に日本で働きたい・学びたいという考えでは、なかなか介護職として働くには動機が弱い部分もあるかと思います。

「介護をやりたい」という強い目的意識を持ったベトナム人材達と面接・選考するのが望ましいです。

このため、介護職に強いこだわりを持った人材を募集するのが得意な送り出し機関を探すのが、介護職種のベトナム人技能実習生の採用活動成功へとつながることでしょう。

技能実習修了後、あるいは育成就労の終了後には、特定技能「介護」への移行も考えられます。在留資格「介護」も認められていることから、有望なベトナム人介護士に働き続けてもらえる制度も整っています。

なお、外国人インターンシップ生の受け入れは、技能実習を行うために必要な業務内容の条件を揃えていなくても受け入れが可能です。

受け入れコストについても技能実習生を受け入れるのに比べて半分以下にできます。もちろん、外国人インターンならではの難しい部分もありますが、介護の業務内容に縛られない&コスト削減を達成するには、外国人インターンを活用することをおすすめいたします。 

また、特定技能の試験合格などの要件をクリアすることで、外国人がインターンを終えた後、当該外国人に特定技能として働き続けてもらうこともできます。

当協会では、特定技能、技能実習、エンジニア、インターン、ベトナム現地の教育機関との提携など、様々な形で人材に対する課題解決をおこないます。

ベトナム人材について何かご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。 

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この記事を書いた人

日本の製造現場(メッキ・熱処理)の責任者としてエンジニア・技能実習生の管理をしました。その後、ベトナムに単身渡り、現地送り出し機関で顧客対応・開拓に従事していました。
日本帰国後は、越境産学連携や人材活用のコンサルティングをしています。「ベトナムウェブ通信」にてブログ発信しながら、ベトナム人のインターン及びエンジニア等の活用支援を行っています。

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