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ベトナム人材の特徴は?ベトナム人を雇用する際の7つのポイントを解説

ベトナム人材の特徴は?ベトナム人を雇用する際の7つのポイントを解説

現在(令和5年6月時点)、日本に滞在している中長期在留者資格の外国人の総数は293万9,051人です。その内ベトナム人は520,150人を占めており、ベトナム人材を活用することの重要性がますます高まってきています。
総数に対するベトナム人の割合は17%に達しています。ベトナム人を雇用する日本企業の数も増加しており、ベトナムの人材の特徴や採用する際のポイントは、日本企業の採用担当者にとってその重要性が高まり続けています。ベトナム人の特徴を理解した上で雇用し、そのマンパワーを活用するためのブログです。

当記事はこちらの方におすすめです。🇯🇵🇻🇳 

  • ベトナム人の雇用をしている、これからベトナム人を採用しようと考えている
  • ベトナム人の特徴を理解して、今後の採用計画に活用したい
  • ベトナム人を雇用する際に気を付けた方がいいことを知りたい

日本に滞在しているベトナム人は、様々な在留資格によって日本で生活しています。
2018年は31万人くらいのベトナム人が日本にいましたが、今は52万人に達しています。
今後もベトナム人をはじめ、他の国も含めた外国人材が増えていくと考えられています。

では、日本の労働市場に占める割合が多い、技能実習・高度人材(技術・人文・国際業務)・特定技能の在留資格を持つベトナム人の数を見てみましょう。

目次

日本に滞在しているベトナム人の数はどのくらい?

 総数ベトナム人の数全体に占める割合
技能実習358,159人185,563人51.8%
高度人材(技術・人文・国際業務)346,116人87,904人25.3%
特定技能173,101人97,490人56.3%

※引用:出入国在留管理庁「令和5年6月末現在における在留外国人数について

技能実習と特定技能は全体の半分を占めており、外国人の現場人材の中心を担っています。伸び率は鈍化するものの今後も人数は増え続けると予想されます。
今後の日本は高度人材についても人手不足が予想されるため、ベトナム人高度人材の増加、特にベトナム人エンジニアが増加していくと思われます。

ベトナムの基本情報

ベトナム情報のイメージ画像です。ホーチミンシティの夜景が描かれていますが、ベトナム人材の大半は農村で育っています。
①名称
 ベトナム社会主義共和国
②面積
 32万9,241平方キロメートル
③人口(2022年、越統計総局)
約9,946万人
④首都
 ハノイ
⑤民族
 キン族(越人)約86%、他に53の少数民族
⑥言語
 ベトナム語
⑦宗教
 仏教、カトリック、カオダイ教他

※引用:外務省「ベトナム社会主義共和国基礎データ」

人口の増加が続いているベトナムでは、2023年には人口が1億人を超えると言われています。
一方、人口の減少が続いている日本にとっては、今後も不足する労働力の一部をベトナム人をはじめとした外国人材でカバーしていく可能性が高いです。

宗教については無宗教とも言える人も8割ほどいると言われており、冠婚葬祭の時は宗教色があることもしますが、普段の生活では特に宗教的なことをすることはありません。
この点は日本とよく似ています。

※引用:VIETJO「ベトナム社会主義共和国・基本データ

ベトナム人の特徴

手先が器用

ベトナムでは幼い頃から家の手伝いを行うので、農作業で作物の選別や道具の作成を行ったり、料理をしたり、バイクの修理をしたりします。
ベトナム人の多くは若いころから手先を使った作業を繰り返し行うので、手先が器用な人が多いです。
このためベトナム人材は、製造業などの手先を使う職種が向いていると言えます。

無宗教の人が多い

宗教上、肉などの一定の食物を触ることができない、お祈りの時間と場所を確保する、働くことができない曜日がある等、宗教上の戒律を守らなければならない人は少ないです。
このため、企業としては柔軟な勤務体制を整えることができます。
ベトナム人の中でも信仰上、何らかの決まりがある人もいますので、個人ごとの事情を確認することは必要です。

勤勉で向上心を持っている

ベトナムでは高校まで卒業するのが多数派であり、大学や短大に進学する割合も年々上昇しています。
社会人になった後も夜間大学やオンラインスクールで学んでいる人も当たり前のようにいます。

自分自身を磨いて仕事で成功したいという人も多い反面、能力に見合った給料をもらいたいという願望の強い人も多く、よりよい待遇を求めて転職していく傾向があります。

ベトナムのキャリアアップというのは、欧米のように転職によって達成できるという社会背景が影響しています。

自社の査定基準や能力評価制度をしっかりとベトナム人に伝えて、転職によらなくても待遇の改善の余地があることを理解してもらうことが必要です。

臨機応変に対応できる

事前の計画とは違う内容であってもすぐに対応するのが得意です。急なお願いであっても普通に対応してくれる人が多いです。

一方、綿密に計画を立てたり、計画通りに実行したりするのは苦手な人が多いです。

計画通り実行するよりも現場で最も合理的な方法で対応しがちなので、個人の合理的な判断は別に置いておいて、決められたルール通り決められた方法で実行することの大切さを理解してもらいましょう。

ベトナム人の中には、短期的な考え方で動いてしまう人も多いです。ベトナムでは長く戦争や戦後の混乱が続いたので、親世代が長期的に物事を考える余裕がなかったことも背景にあります。
ベトナムの家庭において、長期的な観点で考え行動することを子世代に教えることができず、そのまま大人になったベトナム人はどうしても近視眼的に動いてしまいます。

ベトナム人には、日本企業の長期的に人材を育成し、年月をかけて能力が向上されれば企業から評価され給料も増えていくという仕組みがあることを知ってもらうのが重要です。

家族思い

ベトナム人は家族を大切にします。仕事よりも家族を優先させるのは当たり前であり、日本人とは会社と個人のあり方に関して考え方に違いがあることを知っておきましょう。

ベトナム語には日本語の「社会人」に対応する単語もなく、「社会人として〜」というフレーズでベトナム人に分かってもらおうとしても伝わらない場合が多いです。

また、ベトナム人本人の意思よりも、その親や祖父母の意見が優先されることがあるので、雇用する際は本人のみならず親族の状況(親族の賛意等)も確認しておくことをおすすめします。

ベトナム人材を雇用する際のポイント

日本で働くことに対して、親族の賛同はあるか

親族の反対で話が覆ることがありますので、事前におさえておきましょう。

手取り額、昇給やボーナスの有無、評価制度について理解しているか

ベトナム人労働者はキャリアアップと賃金アップを強く望む人が多いので、労使の考え方の行き違いや労働者の情報不足を原因とした転職防止をしておくのは大切です。

雇用した後も給料や評価に不満がないかどうか、直接・間接的に把握しておいた方が良いでしょう。

日本の働き方を理解しているか

ルールを守り決められた方法で決められた事をすることに慣れているか、自社の働き方を着実にできる性格かどうか見極めましょう。
ベトナム人と実際に会って面接し、実技試験も含めて総合的に判断するほかありませんが、現地送り出し機関や監理団体、人材紹介会社のアドバイスも参考にすると良いでしょう。

極端な話となるかもしれませんが、何の教育もされていないベトナム人は、スマートフォンで音楽をかけながら工場作業をし始めるというようなケースもあります。(その際、周りの日本人は呆気に取られてしまい何も声が出なかったようです。)

ベトナム人が集まりやすい職種か

人材が集まりやすい職種であればあるほど、候補者の層も暑くなるため人材の質の面でも高くなっていきます。
逆に集まりにくい職種であれば、集められる候補者の数も限られてきてしまいます。

エンジニアですと、ITエンジニアは集まりにくいと言えます。
これは欧米企業が提示する条件が日本企業の条件よりも良く、かつ、欧米企業はベトナム人が大学在学中から色々な手法で募集活動を行っています。
このため、大学卒業後にあえて日本語を学び日本でITの仕事につく希望を持つベトナムIT人材は少ないです。

現場の仕事であると、農業や漁業の職種の仕事は応募者が集まりにくいです。
ベトナムも高学歴化が進んでおり、高校以上の教育機関で一次産業に関する知識や技能を勉強する人が少ないことが原因と考えられます。また、ベトナムに帰国後に日本で学んだ技術・知識を活用しようとしても、ベトナムの農業・漁業に活かしづらい面が多いです。

もっとも、施設園芸・キノコ栽培・養殖など日本で学んだことはベトナム帰国後も大いに活用できますが、なかなかベトナムの若者にそのような認識を広めることができていない状況です。

一方、自動車整備や金属加工などの工業系の職種は男性に人気がありますし、食品加工やサービス系の職種などは女性に人気があります。

これらの職種の人材の層は厚く、ベトナムでは良質な人材を確保しやすいと言えるでしょう。

雇用後のポイント

給料や仕事内容に不満はないか

優秀な人材であるほど自分を研鑽し、より良い給料と仕事内容を求めています。
企業の方針と人材の考えが乖離しすぎていないか確認を取るようにしましょう。

より良い環境を求めているからといって、ベトナム人にとっても転職は大変なことですし可能ならば避けたいものです。
面談の機会を設けて相互理解に努め、優秀な人材を確保し続けることは重要なポイントです。

懇親会などのイベント実施で愛社精神を醸成

ベトナムの企業は、従業員の誕生日を祝ったり、女性の日に催しをしたり、その他イベントを企画実行したりしています。
対して日本企業では、近年、社員旅行を廃止したり、業務時間外に会社と従業員が関わることが少なくなってきています。

社員旅行や会社BBQ、お花見などのイベントは、ベトナム人に会社に愛着を持ってもらうには有効な手段です。
日本の若い人は避ける傾向にありますが、ベトナムの若い人は大好きな人が多数派です。

人前で叱らない

ベトナム人は人前で叱られることに慣れていません。仮に人前で叱られてしまうと、ベトナム人の心はかなり傷ついてしまいますし、会社との信頼関係にも影響が出てしまうかもしれません。場合によっては難しい時もありますが、極力叱る時は1対1で行いましょう。

仕事上の理由で他人から叱られた経験のあるベトナムの若者は稀であり、そもそも親や学校の先生以外の人から叱られるような機会も少ないです。
不幸にして何か起こってしまった際でも、一呼吸おいてから指導を行っていくことをおすすめします。

指揮命令系統や指示内容は統制されているか

AさんとBさんの仕事のやり方や指示内容が微妙に異なっているが、大して品質等には影響がない程度のものである場合、日本人は場の空気を読み、Aさんの前ではAさんのやり方を行いBさんの前ではBさんのやり方をしてしまう傾向があるかと思います。

人によって仕事のやり方や指示内容にばらつきがあるのはベトナム人を混乱させます。

上手く場の空気を読んで、あたりさわりなく仕事をこなしていくのは日本人のようにはできません。
こういったことは会社への不信にも繋がりかねないので、現場において曖昧なことは無くすようにした方がいいです。

作業要領書にも定められていないような細かなことは、人それぞれやり方にばらつきが出てしまうケースがありますが、取るに足らないことと思われることであってもやり方を統一した方が、生産やサービスの現場としても理想ですし、無用な混乱やストレスを避けることができますよね。

まとめ

日本人とベトナム人は宗教観や勤勉さなど共通する点が多いですが、やはり異文化であることには変わりありません。

初めての受け入れとなれば受け入れる側も未知なことばかりであり、ベトナム人のほとんどは初めて日本へ行く人が多数なのでベトナム人も大変です。

受け入れる前の準備は大切ですが、いくら準備しても分からないことは出てきます。
また予想もしていなかった問題も残念ながら発生するものです。
外国人材の受け入れは子育てに例えられ、いくら覚悟や準備をしても予想外のことが起きたり対応に困ってしまうことが生じたりするものの、人材が成長した時の喜びは得難いものがあると言われます。

いろいろと心配なことはあるかと思いますが、ぜひ一度ベトナム人の受け入れをご検討してみてはいかがでしょうか?

当協会では、特定技能、技能実習、エンジニア、インターン、ベトナム現地の教育機関との提携など、様々な形で人材に対する課題解決をおこないます。

外国人材に関して、何かご相談があればお気軽にお声がけください。

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この記事を書いた人

日本の製造現場(メッキ・熱処理)の責任者としてエンジニア・技能実習生の管理をしました。その後、ベトナムに単身渡り、現地送り出し機関で顧客対応・開拓に従事していました。
日本帰国後は、越境産学連携や人材活用のコンサルティングをしています。「ベトナムウェブ通信」にてブログ発信しながら、ベトナム人のインターン及びエンジニア等の活用支援を行っています。

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