ベトナム人技能実習生の受け入れの手順<10のステップ>
現在(令和5年6月時点)、日本に滞在している技能実習の総数は358,159人となっており、その内ベトナム人技能実習生は185,563人を占めています。
総数に対するベトナム人の割合は51%に達しており、ベトナム人を雇用する日本企業の数も増加しています。
日本を目指すベトナム技能実習生の数は、以前に比べるほど多くなくなってきています。しかし、依然としてベトナム人技能実習生の人数は多く、また、技能実習終了後に特定技能となる人材もベトナム人が最も多いです。
このため、令和6年の段階でもベトナム人技能実習生の重要性は高いと言えるでしょう。
こちらのブログでは、ベトナム人技能実習生の受け入れの手順を10ステップで説明いたしますので、ぜひ最後まで目をとおしていただければと思います。
当記事はこちらの方におすすめです。 🇯🇵🇻🇳
- 技能実習生を受け入れたい
- 技能実習の制度が改訂されるので、この機会に改めて技能実習制度について知っておきたい
- 技能実習生の受け入れ担当を任された
技能実習生の受け入れには、企業単独型と団体監理型の2種類がありますが、こちらの記事では団体監理型について説明します。
ベトナム人技能実習生の受け入れ10ステップ
団体監理型で技能実習生を受け入れるステップは以下のとおりです。
- 組合に加入
- 求人依頼
- 面接と選考
- 技能実習計画の認定申請
- 在留資格認定証明書交付申請
- 査証申請
- 入国および入国後講習
- 配属(技能実習1号の開始)
- 技能試験(技能実習2号の開始)
- 帰国または技能実習3号
★技能実習制度の仕組み
※引用:法務省 厚生労働省「外国人技能実習制度について」
それでは、各ステップについて見ていきましょう。
1.組合に加入
監理団体事業を行っている事業協同組合等の組合員へ加入します。
組合員、準会員、賛助会員のいずれかとして加入することになりますが、加入の際や年会費が必要になることが多いので、事前によく確認しておきましょう。
2.求人依頼
雇用条件(求人条件)・受け入れ希望時期を決めて、監理団体へ依頼をかけます。
面接後に雇用条件が変わってしまわないように、求人依頼の内容はよく吟味してから依頼を出しましょう。
3.面接と選考
ベトナム現地またはオンラインで面接を行います。面接の他、実技試験を行う場合もあります。
面接で確認することや、自社の採用基準をしっかり定めた上で面接会に望むと充実した面接ができるかと思います。
選考し合格者を決定し、受入企業とベトナム人材の間で雇用契約を締結します。
4.技能実習計画の認定申請
技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構へ技能実習計画の認定申請をします。
審査期間は概ね2ヶ月となっています。
※外国人技能実習機構「よくあるご質問(技能実習計画の認定申請関係)」
技能実習計画とは?
技能実習を適正に行うため、受入れ企業が作成する技能実習の計画のことです。
団体監理型の場合は監理団体の指導に基づき技能実習計画を作成する必要があります。
技能実習1号、2号、3号のそれぞれの区分に応じた技能実習計画を作成することになります。(技能実習3号の実習計画については、実習実施者となる受入れ企業と監理団体が優良認定を取得している必要があります。)
5.在留資格認定証明書交付申請
技能実習計画が認定された後、管轄の地方出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請をします。
審査が通ったら在留資格認定証明書が交付されます。
在留資格とは?
在留資格認定証明書は、我が国に上陸しようとする外国人が、我が国において行おうとする活動が上陸のための条件(在留資格該当性・上陸基準適合性の要件)に適合しているかどうかについて法務大臣が事前に審査を行い、この条件に適合すると認められる場合に交付されるものです。
なお、その外国人が我が国で行おうとする活動に在留資格該当性・上陸基準適合性が認められる場合でも、その外国人が上陸拒否事由に該当するなど他の上陸条件に適合しないことが判明したときは、在留資格認定証明書は交付されません。
※引用:出入国在留管理庁「入国・帰国手続<査証・在留資格認定証明書>」
審査期間は現在のところ1ヶ月弱となっています。各在留資格の審査期間は下記から確認できます。
6.査証申請(ビザ申請)
在留資格認定証明書をベトナムの送り出し機関に送付し、送り出し機関がベトナム現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)の申請を行います。
不備がなければ申請してから7日〜10日間で査証(ビザ)を取得できます。
7.入国および入国後講習
技能実習生は日本へ入国後、約1か月の法定講習を受けます。
技能実習生も面接に合格してから入国までの間は日本語をはじめ、マナーや日本文化を学んできますが、改めて日本でも学習します。
法定講習では、日本語、日本文化、交通ルールやゴミ分別、入管法などを学びます。
8.受入企業に配属(技能実習1号の開始)
講習修了後、受入企業へ配属されます。ここからいよいよ技能実習の開始となります。
9.技能試験(技能実習2号の開始)
技能検定基礎級に合格すると、技能実習生2号へと移行することができます。
ただし、技能実習2号に移行できるのは、移行可能職種に限られています。
検定の申し込みは、技能実習1号が修了する6か月前までに終わらせておきましょう。
でなければ、在留資格の期間更新が間に合わなくなる可能性が出てきます。
なお、合格率は90%くらいであり、全員がもれなく合格しているわけではありません。
合格できる人材を募集できる送り出し機関を選定しておきましょう。
10.帰国または技能実習3号へ移行
技能実習2号が終わって帰国する人が多いですが、中には技能検定3級を受験・合格して技能実習3号になる人もいます。
技能実習3号へ移行するためには、技能実習2号が修了する12ヶ月前までに技能検定3級の申し込みをしておきましょう。
ただし、新制度においては技能実習3号に相当するものは廃止の方向となっています。
※技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第14回)「最終報告書たたき台(概要)」
まとめ
以上が今の技能実習制度における受け入れの流れです。
技能実習生の受け入れをご検討の方々のお役に立てればと思っています。
技能実習生の受け入れをするためには色々とやるべき事はありますが、監理団体が多くの部分をやってくれるので、計画作成や在留資格関係ついて深く考える必要は必ずしもありません。
受入企業として重要なポイントは雇用条件(求人条件)、選考、受け入れ後の日々の人材管理といえます。
雇用条件(求人条件)を決める際に、技能実習生が住むための寮を確定できず寮費を確定できないことから控除額も確定できないため、なかなか雇用条件(求人条件)を決めることができないことがよくあります。
選考や受け入れ後も分からないことが多々でてきますので、監理団体や送り出し機関に確認していくことになります。
したがって、信頼できる監理団体の選定というのが、受入企業にとって最初で最大のキーポイントになります。
自社の人材受け入れ体制を整え、良質な監理団体と出会うことができれば、技能実習生の受け入れを成功させることができるでしょう。
当協会では、技能実習生の受け入れに関することのみならず、今後注目されることが予想される外国人インターンの受け入れについてもサポートしていきます。
外国人インターン及びベトナム人材全般について何かご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。