【外国人のエンジニア・通訳等を雇用したい】 在留資格「技術・人文知識・国際業務」について説明
日本人の労働人口減少とともに日本人のエンジニアや総合職の人材も雇用しづらくなってきています。このような環境の変化を受けて、外国人のエンジニアなどを雇用したり、将来的に外国人の雇用を検討している企業もあるかと思います。
2023年6月末の時点で、大学等を卒業しエンジニアや通訳等として日本に在留している外国人の数は346,116人となっています。
コロナ禍前の2019年は271,999人であったのと比べると、その数は増加傾向にあります。
こちらの記事は、外国人のエンジニア等を雇用するための在留資格である「技術・人文知識・国際業務」についての情報をご紹介しています。
当記事はこちらの方におすすめです。🇯🇵🇻🇳
- エンジニア(設計、IT、建設)や通訳、総合職、経理などの外国人材の雇用に関心がある方
- 在留資格「技術・人文知識・国際業務」について知りたい方
本日は自社で外国人のエンジニアや通訳等を雇用したい場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務の在留資格」を取ることになりますが、こちらの在留資格についてご説明したいと思います。
外国人のエンジニア等が従事できる仕事は?外国人が満たすべき要件は?
出入国在留管理庁の「「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について」で示されているのは、下記の通りです。
「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」
具体的には、エンジニア、CADオペレーター、経理、営業、法務、総務、通訳・翻訳、外国語教師などが該当します。
工場や建設の現場で働く外国人ではなくて、専門的な知識を持った外国人材が対象となっています。
このため、申請の対象となる外国人は、大学や専門学校卒業以上の学歴が求められています。
また、大学や専門学校で学んだ専門と日本で従事する予定の業務内容が一致している必要があります。
大学で機械系を学んだ外国人材であれば、日本で従事する業務内容も機械設計であるというふうに専門と業務内容が一致しなければいけません。
特に専門学校卒の外国人材を雇用予定である場合は、専門性と業務内容が一致しているかどうかは、入管から厳しくチェックされる傾向があります。
申請書類:カテゴリーについて
次に在留資格「技術・人文知識・国際業務」の交付申請に必要な書類について説明します。
必要となる書類は、企業の規模などの条件によって変わってきます。
下記の基準で企業をカテゴリーに分けて、それぞれのカテゴリーで申請書類の内容が異なっています。
カテゴリー1
- 日本の証券取引所に上場している企業
- 保険業を営む相互会社
- 日本又は外国の国・地方公共団体
- 独立行政法人
- 特殊法人・認可法人
- 日本の国・地方公共団体認可の公益法人
- 法人税法別表第1に掲げる公共法人
- 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)
- 一定の条件を満たす企業等
カテゴリー2
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人
- 在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関(カテゴリー1及び4の機関を除く)
カテゴリー3
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)
カテゴリー4
- カテゴリー1〜3のいずれにも該当しない団体・個人
自社がどのカテゴリーに属するか把握しておきましょう。
それでは次に、各カテゴリーで必要となる申請書類を見ていきます。
申請書類:在留資格認定証明書交付申請の場合
新たに外国人エンジニアを採用する場合、在留資格認定証明書交付申請を管轄の出入国在留管理庁に行うことになります。
申請書類については、全てのカテゴリーに共通の書類と各カテゴリーで定められている書類があります。
全カテゴリー共通の書類
- 在留資格認定証明書交付申請書 1通
- 写真 1葉
- 返信用封筒 1通
- 上記カテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書 適宜(提出可能な書類がない場合は、カテゴリー4に該当することとなります。)
カテゴリー1
- 四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
- 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
- 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)
- 上記「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)
カテゴリー2
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- 在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)
カテゴリー3
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
・専門学校を卒業し、専門士又は高度専門士の称号を付与された者については、専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書 1通
・派遣契約に基づいて就労する場合(申請人が被派遣者の場合)
・申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料(労働条件通知書(雇用契約書)等) 1通
・申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
(1)労働契約を締結する場合
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通
(2)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通
(3)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通
・申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
(1)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通
(2)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。なお、DOEACC制度の資格保有者の場合は、DOEACC資格の認定証(レベル「A」、「B」又は「C」に限る。) 1通
・在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通
・IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 1通 ※ 【共通】5の資料を提出している場合は不要
・外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通
・登記事項証明書 1通
・事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
(1)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通
(2)その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書 1通
直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通
カテゴリー4
・申請人の活動の内容等を明らかにする次のいずれかの資料
(1)労働契約を締結する場合
労働基準法第15条第1項及び同法施行規則第5条に基づき、労働者に交付される労働条件を明示する文書 1通
(2)日本法人である会社の役員に就任する場合
役員報酬を定める定款の写し又は役員報酬を決議した株主総会の議事録(報酬委員会が設置されている会社にあっては同委員会の議事録)の写し 1通
(3)外国法人内の日本支店に転勤する場合及び会社以外の団体の役員に就任する場合
地位(担当業務)、期間及び支払われる報酬額を明らかにする所属団体の文書 1通
・申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
(1)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通
(2)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。なお、DOEACC制度の資格保有者の場合は、DOEACC資格の認定証(レベル「A」、「B」又は「C」に限る。) 1通
・在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。) 1通
・IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書 1通 ※ 【共通】5の資料を提出している場合は不要
・外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書 1通
・登記事項証明書 1通
・事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
(1)勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書 1通
(2)その他の勤務先等の作成した上記(1)に準ずる文書 1通
直近の年度の決算文書の写し。新規事業の場合は事業計画書 1通
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする次のいずれかの資料
(1)源泉徴収の免除を受ける機関の場合
外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料 1通
(2)上記(1)を除く機関の場合
・給与支払事務所等の開設届出書の写し 1通
・次のいずれかの資料
(ア) 直近3か月分の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(領収日付印のあるものの写し) 1通
(イ) 納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料 1通
まとめ
実際に在留資格の申請を行う際は、行政書士に依頼することが多いです。
採用理由書を作成するのは、適切な内容にできないこともありますし、申請にあまり時間がかかると受け入れスケジュールにも影響が出てくる可能性があります。
反対に自社で申請すれば申請ノウハウも蓄積されコスト削減にもなるので、当初は専門家のアドバイスをもらいながら自社でやってみるのもいいかもしれません。
自社の状況に合う形で、委託か自社での申請を検討してみてください。
本記事では在留資格「技術・人文知識・国際業務」について説明しましたが、実際にエンジニアを採用するための手順については別の記事でご紹介しています。
また、受け入れ予定の外国人の業務が現場の仕事である場合は、技能実習生や特定技能の受け入れが適切となります。
現場仕事で外国人活用をご検討の方は下記の記事をご覧いただければと思います。
当協会では、特定技能、技能実習、エンジニア、インターン、ベトナム現地の教育機関との提携など、様々な形で人材に対する課題解決をおこないます。
ベトナム人材について何かご質問があれば、ぜひお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡いただければと思います。